マイナビ独立に載っていた、某家電メーカーSH社での専属出張修理サービスを請け負うT社のお話。
メーカーぐるみと言って差し支えない体制で、T社が業務委託で求人していた。
募集はT社であるが、初めの2か月間はメーカーとのアルバイト契約をして、基礎研修を受け、助手として技術を学び、その後にT社からの再委託者として働くという契約になる。
アルバイト中は社員と一緒に外回りを行います。
外回りということで現実的には定時に戻れず定時を超過します。
担当の社員さんは契約上残業を付けられないからと言い、場合によっては途中の駅でおろすと言い出します。
ですが実際は繁忙期で助手がいないととても回らない。
始めはサービス残業も仕方なく黙っていましたが、度を越えたので請求しました。
厳密に言うとケガもしたので労災事故もありましたが社員達は見て見ぬふりでした。
メーカーぐるみの偽装委託
メーカーで2か月間の研修を終えて、メーカーから業務委託を結んだT社を介しての再委託者としてスタートします。
ですが内実を見るとT社は給料計算しかしていない会社であり、社長はSH社のOBだという。
実質的にT社は中抜きのトンネル会社でありSH社に雇用問題が降りかからないようにする為の緩衝材と言って過言ではないでしょう。
社内労組役員の横暴
実務ではSH社員が修理依頼書をサービスマンに配ります。
ある時に、技術的に量的にも受けられないと判断し、依頼を拒否したところ、業務命令だと依頼を強制してくることがありました。
所長の目前で修理依頼書が行ったり来たり複数回往復しましたが所長は見ざる言わざる聞かざる状態。
この手配する人物は社内労組の地区委員長で古株であったこともあり口を出せない。
また現実的に協力会社に仕事を選ばれてはその日の予定がこなせない事情もある。
ですが、この手配担当は主任の地位であり労組役員であるにも関わらず、社員と派遣社員、協力会社の再委託者をどう扱うべきかも区別もついていない愚者であった。
これまでの経験からも、社内労組の地区クラスの役員で労働法等に詳しい人間に会ったことがない。
疲弊していたSH社社員たち
この営業所は特別だった可能性もあるが、SH社については経営上の理由から組織が大きく組み替えられ、本社雇用であった者も、子会社であるサービス部門に移籍させられるなど心労を重ねていた。
また、生産工場の大半が海外へ移り、さらに同じシリーズでも新たに海外で設計した製品も出てきたことで、設計者が変わってしまい部品の一貫性が無くなり、サービスマンのこれまで培った知識が役に立たない事態に。
そのまたさらに製造工場移転に伴い初期のロットで大量の修理が集中するなど苦難が続いていた。
このように社員が疲弊している組織では弱いところにしわ寄せが集まることになる。
すべてが狂っていた営業所
前述のように疲弊した組織が狂いだすと歯止めが利かなくなる。
世界的家電メーカーであったので当然に太陽光発電システムも扱っているのだが、ソーラーパネルと蓄電池の接続しなおしに伴う活線のつなぎ替えなどは、国家資格である電気工事士が必要である。
無資格社員がやらされているのには組織の終末を見た気がした。
感想
そもそも自社製品の故障に責任を持つのであれば、また自社のブランドや製品製造の技術の管理を思うならば、直接の指揮命令権がある社員が行うべきであるし、社員の補助としてアルバイトや派遣を雇い入れるべきで危機管理の問題意識の無さである。
第三者的にみて、このSH社のサービス部門の構造で言えば、トンネル会社へ業務委託して、そのトンネル会社が個人へ再委託するという最悪なケースだと思う。
だが聞く範囲では国内の家電業界は同じような構造であるようだ。
単に人件費節約のために業務委託する行為は、技術を売りにしている自社ブランドの安売りでしかないのでないかと問いたい。
またこの組織の場合は経営的危機という時期も重なり社内の雰囲気が疲弊していたなか、労働政策の方向性についていけない組織と組織人が多く、とりわけ個人の業務委託という労働者の扱いができていなかった。
指揮命令権のある社員、契約社員、アルバイト、派遣社員とはちがい、業務遂行に関して自由度のある業務委託の区別が誰もついていなかった。
生き残るための経済界の意向だと思うが、社員の下に契約社員を作り、外部から派遣社員を入れても足らずに業務委託者という階層をつくっている。
~人は自分の下に人を見ることで安心する~

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